優成の妹は私と同じ年だと聞いて、私は彼女の普段の好みを優成に聞きながら真剣にプレゼント探しをした。

バッグ、靴、アクセサリー…店に飛び込んでは探し回り、モールを歩き回った。


「かーや、そんなに大真面目にならなくても」


せわしなくエスカレータに飛び乗った私を追いかけながら、優成は笑った。

優成はエスカレーターで私の一段下に立っている。

こんなに顔を近づけたのは初めてだ。

私はきっぱりと言った。


「ダメ。プレゼントはちゃんと選ばなきゃダメです」


はっきりさせなければいけない。

約束どおり、妹のプレゼントをきっちりと選んで、告白にはきっぱりと断りを入れなければいけない。

なぜだか私は妙に力んでいた。


そして、本当の気持ちを言おうと、口を開きかけたそのとき・・・


周囲に人気がひけた瞬間、顎に指先をそえられて、顔を引き寄せられた。

優成は素早く顔を斜めに傾け、私の唇に触れた。


あまりにもスムースな素早い動きで、逆らうことが出来なかった。


優成から、香水に混じって、男らしい香りが届いて鼻の奥をくすぐった。


「かーや、わかるだろ、妹のプレゼントなんて、口実だよ」