私は思わず、ケーキ皿をよけてテーブルにつっぷして顔を隠した。


「ポンちゃん、どうして、どうしてわかっちゃった?」

「うちを誰だと思っているの」


ポンちゃんはフフフと、低い声で笑った。

ポンちゃんには、霊感というか、超能力というか、人の心を読み取る力がある。


ポンちゃんの手にかかっては、意地っ張りな私の気持ちも全てお見通し。

私はとうてい、ポンちゃんにはかなわない。


「好きすぎて、困ってるみたいね」


ポンちゃんはさらに私の気持ちを言い当てた。

ポンちゃんの言葉が、よーいドンの合図になって、涙がぽろぽろこぼれ始めた。


シングル発売のPRで仕事が忙しかったこともあって、身体が疲れきっていたせいもあったのかもしれない。

拭いても拭いても、ほっぺたが涙で濡れた。