「美愛、いるか?」
リビングの扉の向こうから心配そうに蓮君が言った。
「うん、いる。ごめん、電話出れなくて。」
「勝手に入ってごめん。」
「うん、平気。」
「入ってもいいか。」
「蓮君、みんな、来てくれてありがとう。心配かけちゃってごめんね。大丈夫だから扉を開けないで。お願い。」
傷だらけの姿なんて見られたくない。
みんなにこれ以上心配なんてかけたくない。
「美愛、俺たち仲間だよな?」
「うん、そうだよ」
「仲間には甘えろよ。心配かけたっていいんだよ。迷惑かけたっていいんだよ。だって仲間だろ。」
「っ、うん。っでも、私、今、みんなに見られたくないの。すごく汚いの。きっと、今の私を見たらみんな引くよ。」
全身のあちらこちらに痣ができて変色している。鏡を見てないから分からないけど顔もそうだと思う。
「お前は綺麗だよ。どんなお前でも俺たちは受け止める。だから俺たちにお前を守らせろよ。一人で抱え込むなよ。」
