雨の日の夜、決して交わることない私たちは出会ってしまった




「てか、俺たちは“君”や“さん“なのになんで龍也だけ“リュウ”なんだ?」





「んー、今日ね一緒に帰るときに呼び捨てにしろって言われたんだけど、男の子と呼び捨てにしたことなかったらリュウって呼んでいいか聞いたら好きにしろって言われたからかな。」




「そうか。あいつも話してみるといいやつだったろ?」





「うん!もしかして蓮君今日わざわざリュウに迎えに行かせたのってリュウと話しさせるためだったり?」




探偵になった気分でドヤ顔して聞いてみた




「あぁ、まぁな。龍也も自分からそこまで人に関わろうとする様な奴じゃねぇし。けど、せっかく美愛も仲間になったんだから接点を持って欲しいしな。それに、今日は誰も美愛を迎えに行けなかったからな。」





「そうなんだ。でも、リュウと話す機会ができて良かったよ。」





「美愛がそう思ってくれて良かったよ。
けど、アイツさ結構短気なんだぜ。しかも、手加減を知らねぇし。中学の頃なんて街で暴れてたりもしたんだぜ。」




「ふふふ、確かにやってそう。目つき悪いしね。」




蓮君もクククって笑ってた。




家の前に着くと相変わらず電気はついてなくて真っ暗だった。




「送ってくれてありがとう。また明日」




「おう、またな」






美愛 side end