「私ね、親がいないの。弟が居るんだけど、普段は家に帰ってこないから実質一人暮らし。学校には友達は一人いる。でも、仲間じゃないの。お互い学校がのことは知らないし、干渉もしないの。要は学校内だけの繋がりなの。」




黙って私の話を真剣に聞いてくれているみんなを見た。




そしてもう一度息を吐いて





「きっと、私は寂しかったの。夜に家で一人でいるのが嫌で繁華街でボーッと過ごしてたの。そしてあの日、ナンパされてた私を助けてくれたのが蓮君なの。蓮君が居なかったら私はあの男達に廻されてたと思う。」




あの日のことを思い出して身震いした。




あの時本当に蓮君が居なかったら私は確実に廻されていた。




そして、私も抵抗することを諦めてされるがままになっていた。




本当に蓮君、ありがとう。






「今日ね、蓮君に“仲間になれ”って言われたの。でもね、最初は断ったの。私みたいなのが居たら迷惑だと思ったから。
でもね、やっぱりひとりぼっちは寂しいね。


ねぇ、秋帆くん。ひとりぼっちが寂しいって理由だけじゃダメかな?



たったそれだけの理由しかないけど、それでも仲間に入れてもらえないかな?」




そう言って私深くお辞儀をした。