「母さん、俺、好きな子いるんだ」



母さんは何も言わずに涙を流しながら、何度も何度も頷く。



「それで、告白されて付き合うことになったんだ。夢みたいだった」


「その子ね、俺が初めて好きになった子なんだ」



好きだったんだ。



ずっと、ずっと前から好きなんだ。



みちるのこと。



「でも…俺、先に死んじゃうから、幸せにできないからさ」



涙が溢れてくる。




ボロボロボロボロ流れてくる。




「その子に…最低なこと言って別れたよ」




幸せにしたかった。




他の誰かじゃなく、俺が、みちるを幸せにしたかったんだ。




なのに…