門野ならは、22時までの残業を終えると、最寄り駅にあるドラッグストアで洗顔フォームだけを購入し、まっすぐ帰宅した。

部屋に入ると、真っ先にストッキングを脱ぎ捨てソファーに寝そべる。

「あーーー足重っ・・・」

一日中頑張った足は、すっかり浮腫み切ってパンパンになっている。

「化粧落とすの面倒くさい。寝たいー。」

しばらくソファーでゴロゴロする。

朝バタバタと準備したままの散らかった部屋。
一昨日、昨日と洗濯物溜めてるから、さすがに今晩は回さないとまずい。

そうは分かっていても、なかなか体が動かない。

ならは、とりあえずスマホを手に取る。
すると、高校の友達のえみから連絡が来ていたことに気付いた。

どうしたんだろう。

ならは久しぶりに届いた珍しい連絡に少し驚いて急いで開く。

「久しぶりー!えみだよ^_^
お盆に高校の子たちと同窓会やるって聞いた?
もし行けるなら、一緒に行こー♪」

同窓会・・・?
まあ、どうせ実家帰るし、えみが行くなら・・・

と、上体をなんとか起こして文面を打つ。

「初めて聞いた!
行きたい行きたい!みんなに会いたいよー☆」

今の疲れ切った指先でなんとか明るい文面を打つとすぐに送信した。

いいかげんに洗濯機回すか。

もうこのまま眠ってしまいたいのをなんとか堪えて、なんとか立ち上がる。

するとすぐにえみから返信が届く。

「良かった^_^*
じゃあ、ならも参加って連絡しておくねー♪」

えみはたぶんあのキャラクターのまま変わってないんだろうな。
文面を見て、ならは懐かしい想いでいっぱいになった。