週末になった。

この数日間、ならの頭の中は青空マルシェばかりだった。

雷様は今日来るのだろうか。
どんな服を着ていけばいいだろうか。

ならは鏡の前で散々悩んだ。

ゆるいシルエットの白いシャツワンピースに決めた。

それでも時々、笹崎のことが気になった。

「全然引けない」と言ったくせに、あれ以降パッタリと会話もメールも途絶えたままだった。


中央公園にはたくさんの小さなブースが並んでいて、様々な年代の人たちが散歩がてら見にきているようだった。

公園入り口のインフォメーションでパンフレットをもらう。
立て看板にはマップも張り出されていた。

「なんていう名前で出してるんだろう。」

そういえば、工房の名前何て言ったっけ。

ならは峯岸の言葉を思い出そうとするが、全く思い出せない。
実際に漢字でどう書くのだろう。

と悩んでいると、ふと漢字の「白峯窯」という3文字が目に入ってきた。
「峯」という漢字にピンときたならはブースの位置を確認する。

雷様はいるだろうか。