「社長、褒めるならもうちょっといい褒め方してください」

「じゃぁ試しに壺でも売ってみるか?売れるぞ?」

「……それはあなたが壺売りの部門を作るってことでよろしいでしょうか?」

「それは嫌だな」

「じゃぁやりません」

「何だ、つまらんな」
つまらんって何なんだ。
イマイチ褒められてるのか貶されているのかわからない発言だな。
少しイラッとする私と違って、清貴さんは大笑いしている‐ので、半分は貶されているらしい。

何か反論の材料を見つけようと考えていたが、「社長!!」と森岡さんがやって来てしまった。


「電話すぐ折り返してほしいそうです。大丈夫ですか?」

「わかったすぐ行く。では途中だが失礼」

声をかける間もなく清貴さんが去っていく。
はぁ、ようやく解放されたと一息入れて顔を上げると‐何やら店舗のスタッフは呆気にとられたような顔をしている。

なんだろ?と思っていると、スタッフの一人が
「いやー社長ってあんな気さくに話すんですね」
と本当に驚いたように呟いた。