話の出所については、「何か小耳に挟んだ程度でよくわからないですけど……」と濁す。

「新事業始めたいから、彩馨がフォト事業部を引っ張りたいらしいという噂が……」

「うーんなんというか、清君らしい理由だね」

ばっさりと言う辺り、やっぱ性格が良くわかってらっしゃる。


「利益の為なら好き嫌い関係ない…ってか。
んー、まぁ私はあの理由があるから賛成できないけど、決まったら従うしかないからねぇ……」

「ですよね……」

「まぁとりあえず、かおるやで売り上げ立てられるように頑張らないと。私達は」

それについては激しく同意である。


そして階段を下り、かおるやの店舗に到着。
靴を脱いで撮影ブースに足を踏み入れると、次々と「おはようございます」という声と共に、フォト担当のスタッフが集まってくる。

「では皆さんおはようございます、今からミーティング始めていいですか？」

有沢さんの掛け声で、みんな中央に集まり座る。
基本的にここのミーティングはみんな地べたに思い思いに座っていいことになっている……とは言え大概が正座であるが。