でもそれが壊れるのは‐あっという間だったのだ。
壊れて捻れて…私達はあっという間に、社長とただの社員になった。

ただ『もの』は壊れて無くなったが、実績があるのが非常にやっかいで。別に誰が悪いわけではない…と思うが、何となく斜め方向に捻れたまま、ここまで来てしまったのだ。仕事以外では優しくしてくれても…と思うことは何度もあったが、まぁ自業自得の話なのである。


(そう思うと……今はある意味、戻ってる?……のか?)

ずっと引きずっていた、捻れて気まずい空気は解消に向かっているのだろうか。
解消……って言葉も相当変な言葉だけれど。捻れたまま積み上がったもを、今は徐々に戻して行ってる最中で…このまま行けば、捻れなかった延長に戻ることができるのだろうか。

でもそれは果たして………清貴さんにとって、いいことなのだろうか。


「まぁ、でも私だから言いやすいってことはありますよね、絶対。有沢さんだったら言えないですよ、社長」

「そりゃねぇ。昔の聞きたくない話なんかいっぱいあるからねぇ。
…で、何?彩馨がうちの事業部欲しいって?」