「ていうか清君って、そもそもすっごい写真嫌いなんだよ」

「えっ……そうなんですか？！」
それは初めて聞く話で、かなり驚いた。


「昔ね、永江一家はよく写真を撮りに来てくださったんだけれど、清君は絶対に撮らせてくれなくて……もう父が頭を抱えるぐらいの断固拒否をずっと貫いてたわ。
屁理屈ばっか並べて、馨おじさまもみんな困り果ててて……もう私はそのイメージしか残っていない」

……なるほど。
写真業を生業としていた有沢さん一家にとって、清様は厄介な相手だったということなのか。
まぁそりゃ微妙な感情を持つわな、と少し納得。


「私は馨おじさまが大好きでファンだったの。
それで買収の話は最初に彩馨に持ってったけど、結局馨おじさまが引退するって言うから、清貴君のところに話が行ったのよ。写真嫌いな清君の下で働きたくないだろうって馨おじさまが気を使ってくれたの」

何となく有沢さんは清様のことがあんまり好きではないんだなとは思っていたけれど、そういう訳だったのか…。