稲荷と神の縁結び

そして意外なことに、清貴さんは私の出す料理を全て完食してくれている。

高級食材でないとダメなのかと思っていたが、特売の九十八円の茄子やら五十円の鮮度が微妙な小松菜を出しても文句は言わない。
むしろ喜んで…るのかはわからないが、文句を一つも言わずに食べてくれている。舌は肥えていそうだが、けなされることは一切ない。


休日には二人で豪華なランチに出かけて、帰りにスーパーへ買い出しに付き合ってくれる。
そして清貴さんのリクエストで夕飯が決まり、ステーキを焼いたりちらし寿司を作ったりなど少し豪華な夕飯をつくるのが続いている。

言えば夕飯も外食になりそうだが、清貴さんは家で食べるのが好きらしいので、何となくそうしている。『家で基本的に飯は食わん』と言っていたが、その反動なのか本当は家で食べたかったが汚い場所で食べるのが嫌だったのかどっちかはわからないけれど。


土日は幸いにも出張を間逃れられたので、二人で庭を掃除した。雑草をせっせと抜いて、敷石を磨くだけで見違えるほど整頓された庭になった。
後は庭師を呼んで伸びっぱなしの植木を整えてくれるだけで大丈夫だろう。