稲荷と神の縁結び

「えぇっと……どちらかと言うと優しい人より、きっぱりと嫌なら嫌とはっきり言う人がいいですね」

「……うーん、裏表ない人ってことかしら？」

「そうですねぇ……周りの目とか気にせずに、自分の意見をちゃんと言える人がいいですね。だから、多少我が強くなければいけないのかも知れないですね」

そう言うと‐滋子様は少し考えて「心配だわ」と言う。

「そういう我が強い人って自分の思い通りに進めたい人ってことよね。
本当にそれは心配だわ。亭主関白だったり…DV気質の人に捕まりそうだもの」

「まぁそうですね……全てを捨てて駆け落ちしよう！というぐらい根性がある人ならば、何も問いませんけど」


そう言うと滋子様は‐肩をすくませて笑う。

「ですって！清貴、どう思うの？」

パシパシと笑いながら清貴さんの肩を叩く滋子様。清貴さんもどう答えていいかわからず苦笑いしている。


しまったな…そんなにおかしなことを言ってしまったのか。私は少しだけ、そんな後悔をしていた。