稲荷と神の縁結び

「ええっと……?それで貴女は、清貴の結婚については、どうお考えで?」

「清貴さん自身まだ目の前の仕事で精一杯で、結婚は目に入っていないということを仰られておりましたが…いずれしかるべき人が現れるでしょうし、別に焦る必要はないかと思っております。
あくまで私の個人的な意見でございますが、あまり結婚に乗り気ではないのに結婚されますと…相手方が不幸になるのではないかと少し不安に思います。私は一応女性の立場ですので、奥様になる御方が不幸になるのは賛成できないかなと思いますが」

さりげなく清貴さんの肩を持つようなことも織り混ぜながら答えるが…滋子さんの表情は変わらず。


やっぱりなんか…会話が噛み合っていないようだ。

自分的には満点の回答をしたはずなのだが何故だ。どんどんと焦りが生まれてくる。


……何を話せばいいんだ?
ていうか滋子様は何が聞きたいのか?何を考えているのか?
一応これでも接客スキルはそこそこあるはずだが全く発揮できず、気まずい沈黙が流れる。

(オムライスの味が……しない…………)