しばらくすると、会計を終えた清貴さんが戻ってきた。
右手には、炊飯器の段ボールに持ち手が付けられものをぶら下げている。

「お待たせ、行こうか」

「持ちますよ」

私がその段ボールを持とうと手を伸ばすと‐また清貴さんはその手を掴んだ。

「こういうのは男の仕事だ」

そしてまた手を絡めてしっかり繋がられると‐エスカレーターに向かって歩く。
もはや犬の散歩のように、清貴さんに引っ張られていく。


「一旦炊飯器を置いて、スーパー寄ってこうか。
弁当箱と…何がいる?」

「えぇっと……調味料一式が欲しいです。醤油とか、砂糖とか」

「かさばるな。車で良かった」

「入るんですか?あの車に」

「でかいスーツケースぐらいならトランクに入るぞ」

「じゃぁ大丈夫、ですね」


そしてエスカレーターの前に来たので、パッと手を離そうとしたが…清貴さんの力が強くて離れない。