稲荷と神の縁結び

「でしたら今後のことも考えて、尚更こちらの三合炊きではなくて、五合炊きの方をオススメいたしますね」

「じゃぁ、これの五合炊きにしようかな」

いや、いずれは清貴さん一人になるし三合炊きで十分じゃないですか…?と口を挟みたい。

「こはる、白か黒どっちがいい?」

「白……ってホントにこれにするんですか?
もうちょっと、コンパクトな……」

「なんだ、非協力だな奥さん」
清貴さんは頭をポンポンと叩く。

「ちょっとからかわないで…」
手首を掴み払い除けようとした…が、何やら視線が送られてることに気付いた。


「仲良いですね、新婚ですか?」
肩をすくませて笑っている店員さん。
微笑ましそうに見られている…。


私は一気に恥ずかしくなり「違います!」と首を横にブンブン振る。