稲荷と神の縁結び

「弁当箱無いから買いにいくか?」

「その前に……そう、あれです!」

私はあの壊れた炊飯器を指差す。

「全く動かないんですけど、使ってました?」

「いや使ってなかったな。多分二十年は使ってるから寿命だと思うが………ってどうやって炊いたんだこれ?」

「土鍋で炊きましたよ」

「……マジか。どうりでうまい」

そして二個目に突入。
どうやら本当に気に入っていただけたみたいだ。

清貴さんは二個目を食べ終わると
「よし、じゃぁ買いに行こうか。調べるからその間準備して」と言ってスマホを取り出した。


てか……それってこれからも食べますっていうことなのか?

聞こうとしたが、既に清貴さんは真剣に調べているようだ。

(まぁいいか………)

真剣にスマホを見ている清貴さんを横目に、私はエプロンを脱いで出かける準備をする。



「こはる、ついでにメシも食おう。
すき焼きでいいか?」

「すき焼き!はいっ!!」

「…元気いいな」


そう少し呆れたような顔をしながらも、ほんの少し口角を上げて顔を綻ばせていた。