紹介すると「永江清貴です。圭吾さんにはお世話になってます」とご丁寧に頭を下げている。

「こちらこそ、いつも主人がお世話になっております。こはるちゃんのこともよろしくお願いします」

夕湖ちゃんも丁寧に頭を下げて、私達を見送った。「いい人そうだし安心した」…ってあくまでそれは彼の見た目の話である。



そして二人で車に乗ると、エンジンを入れゆっくりと発進して行った。
やはり車高が低いので、何だか新鮮な景色。


「そういや圭吾の奥さん初めて見たわ」

「まぁ結婚式は………ほぼ身内と近所の宮司の集まりだったし………」

職業柄当然平日であり、夕湖ちゃんはすぐに妊娠したので御披露目パーティーの機会も逃してしまっていたのだ。
歳の差もあるし、圭ちゃんの友達関係はあまり知らない。


「ていうか、圭ちゃんと仲良いのが意外でした」
二人が同じようなタイプには全く見えないので、凄く疑問だ。


「知ってるか?俺と圭吾の最初」

「いや知らないです」

「大学の入学式の日にな、オリエン終わった後にやたら話しかけられて着いて来たんだよ。
何なんだコイツって思ってたら、階段で落ちそうな所を寸前で助けられた」

「………何か『憑いてた』んですね」

「そうらしい」

まぁ、圭ちゃんにしては『よくある』話である。