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翌日、午前十一時。
何と社長直々にお迎えにあがっていただけることになり、荷物をまとめた私は家の前で待っている。
荷物…といっても着替えだけなので、ボストンバッグ一つといつものショルダーバッグだけだ。
そして道の向こうを見ると‐車が見えてきた。
真っ黒な高級車のポルシェ。
馨さまご愛用のお車だったので、譲り受けたものだろう。当然二人乗りなので荷物が多かったらどうするつもりだったんだろうか…。
「おまたせ」
車から下りてきた社長は‐ベージュのチノパンに白いシャツに黒のカーディガン。
そんなこざっぱりとしたシンプルな姿だけど、サマになっているのが悔しいところ。
「お迎えありがとうございます。では行きましょうか」
「そうだな……ってお家の人は?」
「今は夕湖ちゃん…圭ちゃんの奥さんと子供しか居ませんよ」
「じゃぁ軽くご挨拶してくから」
いや、いりませんとは言えないので「夕湖ちゃんー!」と呼ぶと、すぐに夕湖ちゃんは玄関に現れた。
「こはるちゃん、行くの?」
「うん行ってくる…ってお世話になる永江さんです」
一応うちの人達には「圭ちゃんの友達の家で住み込みの家政婦をする」とは伝えている。
(まぁ二人暮らしだとは言ってない)
翌日、午前十一時。
何と社長直々にお迎えにあがっていただけることになり、荷物をまとめた私は家の前で待っている。
荷物…といっても着替えだけなので、ボストンバッグ一つといつものショルダーバッグだけだ。
そして道の向こうを見ると‐車が見えてきた。
真っ黒な高級車のポルシェ。
馨さまご愛用のお車だったので、譲り受けたものだろう。当然二人乗りなので荷物が多かったらどうするつもりだったんだろうか…。
「おまたせ」
車から下りてきた社長は‐ベージュのチノパンに白いシャツに黒のカーディガン。
そんなこざっぱりとしたシンプルな姿だけど、サマになっているのが悔しいところ。
「お迎えありがとうございます。では行きましょうか」
「そうだな……ってお家の人は?」
「今は夕湖ちゃん…圭ちゃんの奥さんと子供しか居ませんよ」
「じゃぁ軽くご挨拶してくから」
いや、いりませんとは言えないので「夕湖ちゃんー!」と呼ぶと、すぐに夕湖ちゃんは玄関に現れた。
「こはるちゃん、行くの?」
「うん行ってくる…ってお世話になる永江さんです」
一応うちの人達には「圭ちゃんの友達の家で住み込みの家政婦をする」とは伝えている。
(まぁ二人暮らしだとは言ってない)