社長は私を見てフッと笑った。
「やっぱお前、圭吾に似てるな。目元がそっくり。猫目の奥二重」

「ていうか、いつから知ってたんですか？」

「いや最初の店舗の時からそうだろうなって。
でもお前、会社じゃ家のこと全く話さないから、話さない方がいいだろうなって」

「………ですね」

話された折には、おばさま方の格好のエサである。

「最初、圭吾も俺が気使いそうだから黙ってたらしいし、まぁ今更敢えて言うまでもないかな、と」

まぁそうだが……せめて友達の妹には優しくしようという気はないのだろうか、なんて考えてしまう。


そしてこの日は、圭ちゃんがきっちりと祝詞を奏上して終了。
きちんと浅黄色の袴に袍（ほう）を着こなしている圭ちゃんは、すごく神主として立派だ。
まさに次世代のうちの宮司として、相応しいと思う。