そして忙しくて放置していたら、気付いたらこの有様だったとな。

「時間がようやくできたし、何とかするか……と思ったらあれを思い出した」


なるほど、社長の事情はわかったが。


「清貴あのな、神社を常に綺麗にしなければいけないのって『神様を穢れから守る』意味があるの。
あんだけ汚れてたら、そりゃ神様は穢れるっ、てかじゃんじゃんトラブル引き寄せる原因になるの」

そう神主らしいことを言う圭ちゃん。
私もうんうん頷くが………ずっと脳内を掠めていることがある。


うちの売上低下の原因って…………。



おそらく社長の頭にも同じことが浮かんでいるであろう表情をしている。
私に怒号を浴びせている人が、まさかの原因疑惑。


「こは、とりあえずゴミ袋大量に買ってきて。あと軍手と雑巾。
清貴、いらない布とかタオルを片っ端から集めて切ってウエス作り。あとバケツと中性洗剤も準備」

そして圭ちゃんは立ちあがり、私達をギロッと睨む。

「お稲荷さま周辺だけでも、やるよ」

穏やかな口調で話すが、確実にお怒りモードの圭ちゃん。


私達は逆らえず「………はい」と準備に取りかかることにした。