稲荷と神の縁結び

いや、それが一番まずいのではないかと思うんですが…。


「それで、あなた。服はその手持ち分だけなのかしら?」

「はい?一応一週間着回せる程は持ってきておりますが…」

「もう、全くもって若い子らしくないわね。
いいですかこはるさん?若い時間は貴重なんですよ!無駄にはできないんですよ!」

ガンっとソーサーにカップを置き、勢い良く立ち上がる滋子様。


「清貴、こはるさんをお借りしますわよ」

「ちょっと母さ…」

「草食系は草食らしく野菜でもしまってなさい。もうちょっと見込みがあると思っていたのだけれどね?さぁこはるさん。行きますわよ」


そうして私は、なぜか滋子様とショッピングに出かけることになった。


一応価格帯は抑えてもらいはしたが…私は今までに履いたことのないタイトなスカートや、シフォン素材のボウタイブラウス、ウールのニットワンピースなど私の手に余るような服を次々と滋子様は購入していく。
買ってきたものをあのチェストにしまうと、ようやく半分ほどが埋まった。