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‐時は流れて十二月三十一日。大晦日。
今の時刻は、午後九時を回ったところだ。
私は家を出る準備に追われている。
(メイク道具と………着替えは…まぁ下着だけで………)
私はチェストを勢いよく開けて、三日分の着替えを出す。
服に比べて、下着の段の引き出しはガラガラで…そもそもこの真っ白で大きなチェストは、私の荷物の量に合っていない気がしている。
そう、あの新嘗祭があった日まで記憶を遡ろう。
野菜をしこたま頂き、私達はこの家に戻ってきた。
「おかえりなさい」そう出迎えたのは、まぁ案の定滋子様であった。
ダイニングに堂々と腰かけて、コーヒーを飲んでいる姿は……正直、貫禄がありすぎる。
「あともうすぐで、家具の配送がきますから」と言って間もなく、家具がザクザクと届いた。
真っ白いチェストにドレッサー、ベッド……。それらは一番奥の、馨様の奥様が使われてたという部屋に運びこまれて行った。
まぁ、適度に和にも調和する家具を選んでいるのは さすがであるが……



