稲荷と神の縁結び

特にコスメが爆発的に人気があり、私も一度だけ自分へのご褒美として購入したことがある。可愛いプロダクト‐リボンやレースがモチーフの見た目は、見ているだけでも楽しめ、持っているだけでも自慢になる。そんな二十代の女性がみんな憧れるブランドだ。

滋子様は堂々と入店して、奥まで私を連れていく。

「いらっしゃいま………羽島(はじま)さま!」

年配の(偉そうな)店員さんが目を丸くして私達に挨拶をする。
羽島って誰だ……と思ったが、視線は横の人物に注がれている。つまり滋子様だ。
滋子様はサングラスをとって、その店員さんに挨拶をしている。

「お久しぶりね」

「お久しぶりです。本日はどのようなご用件で?」

「この子のお洋服を選びに来たの。いいかしら?」

「はい、どうぞご覧ください」

「あと、この子に後程メイクをお願いしますわ」

「かしこまりました」

滋子様、何者だ……?
唖然としている私を差し置いて、滋子様はさっさと洋服を何枚か手にしている。