稲荷と神の縁結び

昨日私は出張で、帰宅したのが夜の十時だったが‐帰宅した時、清貴さんはリビングで持ち帰りの仕事をしているようだった。

「おかえり、腹へった」

帰宅して第一声がそれかい!と突っ込みたくなったが、仕方なく私は買ってきたお土産の手羽先のパウチの封を開けた。昨日は名古屋に日帰り出張。
そのまま二人で手羽先を食べながら、出張の報告などをしていると夜の十二時になっており‐私は限界がきてすぐに寝たが、きっと清貴さんは起きていたんだろう。
わざわざ家にまで仕事の話を持ち込まなくても…と思うが、仕事の鬼である彼には言っても無駄だと思っている。

(よし、今のうちだ……!)

私はお茶をいれると、密かに隠し持っていたういろうを取り出す。これだけは一人で食べようと楽しみにしていたのだ。
十センチ程に切り出して、和菓子切りでちまちまと食べながら‐至福の一時を過ごす。あぁなんて幸せな。
幸せを文字通り噛みしめながら、今日をどう過ごそうかと考えることにした。