そしておばさまは大きくため息をつくと、清貴さんに詰め寄った。
「清貴さん、あなたわかってらっしゃるの?
先日の見合いの話、本当に断ったそうね。
あなた、忙しいと言っておられるけど、しっかり女の方と会う時間はあるじゃない」
「それは仕事の終わり時間が一緒だったからで…。
それに彼女はうちで一日六十万以上売り上げる重要なスタッフなんです。彼女が居なければ、本店の売り上げは随分下がるでしょう」
一瞬眉毛の端が上がり、一呼吸置いたかと思えば‐次の瞬間、おばさまは一気に捲し立てる。
「あなたの言い分はよくわかりました。でも…彼女に会っている暇があるのであれば、その時間で釣書を見ることもできるでしょう?直接会う時間を取れないというのなら、先にメールや電話などで親睦を深めることもできるでしょう?
あなたはもう『社長』なんですよ。昔にこだわるのは止めなさい。
『社長』らしい振る舞いと…それに見合った身の固めかたをしなさい」
厳しい口調でそう言うと、おばさまは夜の街に消えていく。



