声の方へ振り向くと、見たことがない人が立っていた。
中年の少しふくよかな女性で、着ているのは夜の街から随分浮いている水色の着物。
しっくりと着ている様子から、普段から着なれていて…それに凛とした佇まいは、おそらく『いいとこの奥様』であろうことが想像できた。
いや、そもそも……私はこの人の顔によく似た人を知っている。
清貴さんはその人に向かって一歩踏み出して行く。
「ご無沙汰しております、紬(つむぎ)おばさま」
名前を聞いて、私はピンときた。
会ったことも見たこともないが‐噂で聞いたことがある。
清様には姉がいて…それもドギツい性格の持ち主で、滋子様は大嫌いだと言っておられた方が。
清貴さんは頭を下げてニコやかに対応するが、彼女はまだ険しい顔を崩さない。
「清貴さん、お仕事がお忙しそうで」
「えぇ、おかげさまで」
「彼女は?」
睨み付けるように私を見るおばさま。
「本店で働いております。清貴さんとは、社長就任以前より一緒に働かせていただいております」
丁寧にお辞儀をしてご挨拶するが‐睨みは加速していく。同じ顔なのにこの人は怖い。
中年の少しふくよかな女性で、着ているのは夜の街から随分浮いている水色の着物。
しっくりと着ている様子から、普段から着なれていて…それに凛とした佇まいは、おそらく『いいとこの奥様』であろうことが想像できた。
いや、そもそも……私はこの人の顔によく似た人を知っている。
清貴さんはその人に向かって一歩踏み出して行く。
「ご無沙汰しております、紬(つむぎ)おばさま」
名前を聞いて、私はピンときた。
会ったことも見たこともないが‐噂で聞いたことがある。
清様には姉がいて…それもドギツい性格の持ち主で、滋子様は大嫌いだと言っておられた方が。
清貴さんは頭を下げてニコやかに対応するが、彼女はまだ険しい顔を崩さない。
「清貴さん、お仕事がお忙しそうで」
「えぇ、おかげさまで」
「彼女は?」
睨み付けるように私を見るおばさま。
「本店で働いております。清貴さんとは、社長就任以前より一緒に働かせていただいております」
丁寧にお辞儀をしてご挨拶するが‐睨みは加速していく。同じ顔なのにこの人は怖い。



