こんなにすぐに体を許してしまっていいんだろうか。
そんな疑問も頭に浮かんだけど、付き合ってるんだから問題ないかと自分を納得させた。
口もとから移動して、耳や首筋に唇を沿わせられるころには、脳内で会議をしてる余裕も無くなっていた。
敏感なところに熱い息がかかると、無意識に甘い声が出てしまう。
「声、可愛い」
そう言うと、恥ずかしがる私を嬉しそうに見ながらシャツのボタンを外す彼。
ゆっくりと焦らすように一枚一枚服を脱がされて、素肌の胸に顔を埋められた。
少し荒い愛撫に同年代の若さを感じて、なんだか新鮮。
彼の手が下にうつるタイミングで、私も彼のボタンに指をかけた。
シャツの隙間から覗く男らしい胸板にドキッとしてしまう。
シャツを取り去り、与えられる刺激に素直に反応をしつつ、彼の肩に腕を回して肌をくっつけると高めの体温と湿った肌に溶ける心地がした。
「ごめん、我慢できないかも」
頭の上から切ない声が聞こえると、一度体を離し、キスをするタイミングで体を沈められた。
知らない体を受け入れる時って、なぜか泣きたい気持ちになる。
いけないことをしている気持ちになるのは、私が今までしてきたセックスに罪悪感を抱いていたからだろうか。
恋人同士なら当たり前の行為なのに。
決して雅也くんが思ってるほど綺麗な体ではいことに申し訳なさを感じる自分がいた。
そんな心の痛さも、快感のおかげで少しだけ紛れる不思議。
反応を確認しながら私の弱いところを見つけると、悪戯な子供とも妖艶な大人とも受け取れる笑顔を浮かべて動きを止めない彼。
上り詰めていく感覚から、再び彼の肩に腕を回してしがみつく。
さらに荒くなる呼吸で、彼も限界が近づいていることがわかった。
「あ、だめ」
「俺も」
二人して声にならない声を上げた後、体の中に律動を感じた。
情けなくうなだれて体を私に預ける様子が無性に愛おしくなる。


