恋愛ってわからないな。ちょっと前に初めて会った人のことに対してここまで心が動くなんて。

自分に彼氏ができたことが不思議で仕方ない。

「ねえ、もう一個わがまま言ってもいい?」

少し潤んだ声が耳元から聞こえたので、一度腕を解いて向き合う体勢になった。

「ん?どうぞ」

そう言うと指を絡めて私の肩にもたれかかる雅也くん。

「明日までいっしょにいよ?」

上目遣いでそんなことを言うなんて反則。
甘えるのがうますぎて見習いたいくらいだ。

そんなことされたら、断れないに決まってるじゃない。

「うん、いいよ」

内心悶えつつも冷静を装って落ち着いた声で返事をした。

「やった〜」

その言葉を聞いて胸に顔を埋められる。

男らしい時と子供らしい時でギャップありすぎ。
いつしか年上の人と付き合ってたと言っていたけど納得だ。
同い年の私でさえも母性本能が生まれそうになる。

安堵し切った彼は再び私の唇にキスをする。
今度は私の唇を味わうように、唇を唇で挟みながらゆっくりと動かされ、官能的な気分になってしまう。

理性が遠のいてくるタイミングで、ゆっくりと彼が私のことをソファに横たえた。
雰囲気作りが上手い人だな。わずかに残った理性で、また冷静に分析してる自分に少し悲しくなった。