「あ、意外と時間ないよね。お風呂入る?」

「いや、帰ってシャワー浴びるんで大丈夫です」

「そう。じゃあサクッと浴びてきちゃうね。よければ残りのビール飲んでて」

そう言うと彼はスッとベッドを抜けて再びお風呂場へと消えていった。

あれだけたくさん買い込んでいたのに、気づいたら残りの缶は一本になっていた。

もし、次会うことがあれば私も遠慮なんかしないで同じペースで飲めたらもっと楽しい時間になるかもな。
なんて、ありもしないであろうことを想像しながらプルタブを引いた。

プシュッと軽快な音が耳に心地いい。

炭酸の喉越しと嫌味のない苦味を一口味わって、ベッドを抜けて下着に脚を通した。