part-time lover


腕の力を緩めて体をゆっくり離すと、顔を覗き込まれて再び目が合う。
今までに見たことのない、男性の色気が漂う表情にさらにくらっとする。

顔に熱い息がかかった直後、優しくキスをされた。
柔らかい湿った唇の感触に、何も考えられなくなる。

唇を何度かついばまれて、離れた瞬間また目が合って思わずほころんでしまう。

潤んだ瞳と唇が異常にセクシー。

「やばい、どうしよう。めちゃくちゃ嬉しい」

幸せを噛み締める表情は、いつにも増して可愛らしくて…無意識でまた彼の首に腕を回していた。

「雅也くん可愛い」

「透子ちゃんの方が可愛いし」

なんて甘い時間なんだろう。

無性に目の前の男の子が愛おしくて、おもむろに髪を撫でた。

ケイさんとは違って、まだ白髪もない綺麗な黒い髪。