一呼吸置いたあと、大きく息を吸って、雅也くんが話し始める。
「ねえ、まだ知り合ってから間もないし今すぐ決めろって言われても困るかもしれないんだけど…透子ちゃんともっと色々なとこに行きたいしもっと仲良くなりたいって思ってる。
俺と付き合ってくれないかな」
慎重に言葉を選びながら、ゆっくりと彼の気持ちを伝えられた。
告白をされる可能性は考えてはいたけど、いざ言葉にされると自分が思っていた以上に心臓が跳ね上がった。
真っ直ぐに私の目を見てそう言ってくれる彼を見て、すごく歯痒い気持ちになる。
自分の中で答えは決まっていた。
「うん。ありがとう、私も同じ気持ち」
恥ずかしい気持ちを抑えて、私もしっかりと彼の目を見ながら答えた。
「ありがとう、嬉しい」
そう言い終わる前に腕を引かれて彼の腕に包まれる。
首元から汗とレモングラスの香水の混ざった彼の匂いがして、目眩がしそうだ。


