缶ビールを片手に海風を感じながら公園をゆっくり歩き、休憩を挟みつつ大桟橋を経由して赤レンガ倉庫まで辿り着くと日が傾き始めていた。
海に映る夕陽が綺麗。
それ以上に、陽に照らされて光る彼の髪や首筋にうっすらかいた汗の方が綺麗で、心臓が高鳴ってしまう。
私の視線が伝わったのだろうか、ふとこちらに視線を投げて彼がニコッと笑った。
心の中のときめきが表情から伝わってしまいそうで、反射で視線を海の方へ逸らす。
「長距離のお散歩お疲れ様。足疲れてない?」
露骨に目を見ないのもおかしいから、ゆっくりと視線を彼の方に戻す。
私がそらしてもそのままこちらの方を見てくれている、真っ直ぐさに胸が締め付けられた。
「うん、大丈夫。
横浜の色んなところが見れて楽しかった。
お話ししながらだと全然距離も感じなかったよ」
「それならよかった。俺も楽しかったー。地元だけど、久しぶりにこの辺をゆっくり歩いた気がする。
そろそろレストランの方に移動しようか」
「うん、ちょうどいい時間だね」
ライブの開場時間まであと10分。はかっていたのか偶然なのかは分からないけど、完璧すぎるタイムスケジュールだ。


