外人の店員さんが丁寧に注いだ綺麗な液体を差し出した。

「それじゃ今週もお疲れ様」

「乾杯」

かわいいロゴが入ったグラスをぶつけて、一口含むと、グレープフルーツの爽やかな風味が口の中に広がって心地がいい。
求めていた苦味と炭酸の喉越しを噛み締めて思わず幸せのため息が出る。

「あ〜仕事終わりのビールって最高だね」

こちらの気持ちを代弁して、かれがしみじみと言った。
これこれ。この美味しそうにお酒を飲む姿、可愛くて好きだな。
内心そんなことを思いながら、適切な返答を探した。

「ほんとに。今日一日頑張ってよかった〜美味しいな〜」

暑さのせいで喉が乾いていたこともあり、ゴクゴクと喉を鳴らしたらグラスの半分ほどを一気に減らしてしまった。