心の中で思ってることが漏れないように、ガレットを切り分ける彼の綺麗な手に視線を移した。
割れた半熟卵を見て少しだけ食欲が湧いてくる。
「いやいや、全然フランクじゃん。
いかにも営業やってますって感じがするけど」
「仕事モードならいいけど、プライベートだとわりとおとなしい方だと思うんだけどな〜。
透子ちゃんはお仕事何してるんだっけ?」
「IT系。営業のサポートの事務をしてて、職種は違うけど営業さんの大変さは目の前で見てるからすごいなーって思うよ」
「そっかそっか。こちらからしても透子ちゃんみたいな人にめちゃくちゃ助けられてるから、ありがとうって思いながら毎日仕事してるよ。
紹介してくれた若林さんとは大学の友達なんだっけ?」
「そうそう、学科もサークルも一緒で。
英語科だったんだけど、彼女帰国子女で英語ペラペラだったから本当にお世話になったな〜」
ケイさんと話すときは極力自分の話は避けるようにしてたけど、本名で話し合える仲なら自分からペラペラと話せてしまうことに内心笑っていた。
「そうなんだね、すごいなー。
透子ちゃんも英語話せるんだ?」
「a little bit」
「あ、調子乗ったでしょ」
彼の返しに思わず笑うと、緊張が解けていくのがわかった。


