part-time lover



築年数はそこそこだけど、リノベーションのおかげでそれなりに今どきな内観のうちのマンションはそこそこ気に入っていた。

オートロックを開けて、エレベーターを待つ時間、なぜか無駄に落ち着かない。
隣を見ると陽さんも緊張してるのか、さっきまでの饒舌はどこにいったのか無口なままカウントダウンされる数字を見つめていた。


「よく可愛くない部屋って言われるんで、女の子らしくないんですけど…」

何か言葉を発しないと居た堪れなくなりそうで、口を開いた。
エレベーターの中に入り、ボタンを押す。
いつもやっている作業一つ一つに、なぜか意識を向けてしまう。

「どんなお部屋でも、散らかってても気にしないよ。透子ちゃんの生活が見られるのが楽しい」

会話の引き金を引いたことで、少し緊張が解けたのか、陽さんが微笑みながらそう返した。
それを見て私も安心する。

エレベーターのドアが開き、部屋の前まで到着。

「一度部屋の状態だけ確認するのでちょっと待っててください」

「はーい。こういうのも新鮮」


にやけるのを隠しきれない陽さんをドアの前で待たせて、部屋の中をざっと見回した。

急な来客なんて相当久しぶり。
陽さんがうちに来る日が来るなんて昨日の私は全く考えもしなかったのに。
こんなことなら掃除機くらいちゃんとかけておけばよかったと思いつつも、暑い中外で待たせるのも申し訳ないのでざっと部屋を見回して概ね問題ないことを確認して再び玄関へと戻った。