part-time lover



そんな脳内を現実に戻すかのように、代々木公園の駅が見えてくる。
地下へと続く階段を下って、改札を抜けた。

「なんだか透子ちゃんと一緒に電車乗るのって不思議な感じ」

エスカレーターでホームへと向かう途中、彼がそんなことを呟いた。

確かに、今まで現地集合現地解散だったのに。こんなふうにいろんな街を一緒に移動していることがなんだかおかしかった。

ホームに降り立ってすぐタイミングよく電車が到着した。

知り合いでも乗ってるんじゃないかと思うほどの危機察知能力は今の自分にはなさそうだ。
車内に乗り込み、ドアの前に立ってこの非日常が面白くなってふざけて彼の指を握って見せた。

「今までしたことないことがこの二日間で沢山できて楽しいです」

「俺も大人気なくはしゃいでる」

「なんとなく分かります」


ドアが閉まり、ガラス越しに目を合わせて悪戯な笑みを2人して浮かべた。
言葉にはしないけど、この気持ちが浮つく感じはきっと彼も感じているんだろう。