「不思議だね。夜にしか会えない間柄だったのに、朝起きて透子ちゃんが目の前にいたらまた今日も一緒にいたいなって思ってた。
それに昼間からこうやって外で一緒に遊べるの、すごく楽しいな」
いらないことを色々考える私とは対照的に、思ったことを素直に表現する陽さんの自由奔放さが羨ましくなった。
これが既婚者の余裕なのだろうか。
「私も、何で今こうなってるのか全然わけがわからないけど、楽しいなって思ってます。
これでも一応彼氏いるんですけど、陽さんとの時間で癒されてる自分がいます」
「こんな風にいられるのも今日くらいしかないんだろうけど、そう思っても歯止めが効かなくなりそうで怖いな」
切なそうな顔でそう呟いたあと陽さんの顔が近づいて、気づいたら触れるだけのキスをされていた。
唇を離した後目があって、何故か泣きたくなった。
このままこの人にすがっていたいと思うのは、私の心が弱いから、目を背けたい現実から逃げたいからなんだろうか。
そんなことはっきりさせても意味がないのはわかってるから、ねだるように自分からもキスをした。
今日がもう来ないなら、出来るだけこの人に触れていたい。そんなことを思ってはいけない関係と分かっていても、理性と本能は完全に別物らしい。
唇の柔らかさが心地いい。


