ホテルを出ると、まだ午前中にもかかわらず容赦ない日差しが注いでいた。
部屋の暗さとのギャップに少しだけ眩暈がする。
「暑いねー。早く木陰で涼みながらビール飲もう」
彼の嫌味のないマイペースさに一気に眩暈も覚めてしまった。
「結局ビールですか」
笑いを含みながら返した。
確かにこの晴天の中ビールは最高だろうけど。
「とりあえずおつまみとビール調達しないと。透子ちゃん何食べたい?」
「うーん、ピクニックならサンドイッチかな?」
「いいね。パン屋さん寄ってビール買って原宿方面向かおうか」
そう言うと手を取られ、彼が歩き始めた。
これからどうなるかわからない楽しみは、今日も続くらしい。
ホテルの退室時間は大体どこも同じなんだろう。
どこか気だるそうなカップル、夜のテンションを引きずったままのカップル、すれ違う人を見ながら私たちの異常な関係性をおかしく思った。
昨日暗闇ですれ違っても大して気にならなかったことが、太陽の光で浮かび上がったみたい。


