part-time lover



ビールの缶をサイドテーブルに置き、彼の隣に腰掛けた。

テレビの中の高校球児の爽やかさと、私たちの自堕落さがアンバランスすぎる。

「透子ちゃんは今日何か予定ある?」

テーブルに置かれたばかりの缶に手を伸ばしながら、彼から質問を投げかけた。

「いや、特には。
あったら朝から飲んでないですよ」

「それはそうだよね。
俺も今日は仕事行かなくても大丈夫なんだけど、よければどっか遊びに行かない?」

先程まで解散後の空虚さを懸念してた私にとって、期待していた提案をされたことに驚いた後、嬉しさが込み上げてきてしまった。
喜ぶべきではないし、これを受け入れたらどんどん引き返せなくなるのはわかってるけど…

「いいですね。陽さんと明るいうちから遊びに行くなんて新鮮」

心の声がそのままこぼれた。

「やったー。何しよう。
いい天気みたいだし、外で飲んでも気持ち良さそう」

「結局ビールですか」

ツッコミを入れつつまた吹き出した。
彼も彼でまだ酔っているんだろうか。
少し浮かれた様子にこちらも引きずられてしまいそう。

「いいじゃん、ピクニック。
おつまみと飲み物買って、ここからなら…代々木公園が近いかな?」

「それいいですね、このお天気なら気持ちよさそう。
ていうか意外と陽さんてアウトドアな人なんですね」

自分じゃ絶対にしない提案に、心が躍った。

「そうかも。地元が自然豊かな田舎だから、昔から外で遊ぶの好きだったなー。
透子ちゃんはインドア派?」

「遊びに行くとしても室内で遊ぶことが多いかも。
だからピクニックって新鮮です」

「そう言ってくれるならよかった。
俺もシャワー浴びてくるね」

「行ってらっしゃい」

スイッチが入ると行動が早いらしい。
ダラダラしない人は好きだ。
男らしい引き締まった背中も、残ったお酒と昨日の仕事で少しだけ疲れているように見えた。

それでも限られた自由な時間を楽しもうとする姿勢がなんだか愛おしい。