〜1ヶ月後〜

カタッカタッ

本を一冊一冊棚に戻していく、前の学校にいた時も本は大好きだった、自分とは違う人になっ

たようでとても居心地が良い

私にとって本はかけがえのない物

「土原くん、風邪ひくよ」

本を棚に戻し寝ている土原くんを起こし帰る、それが私の日課になっていた

「土原くーん」

肩を揺さぶって起こそうとする

「終わった?」

やっと起きた土原くんは目を擦りながら聞いてくる

「うん、私帰るね。」

次の瞬間腕を引かれ土原くんの顔が目の前にくる、同時に唇に違和感を感じる

びっくりして目が見開く

パンッ

唇の違和感が取れた瞬間土原くんの右頬を平手打ちした

「最低!」

怒りと悲しみと涙でぐちゃぐちゃになった顔で叫ぶ

全速力で図書室を飛び出し、教室へ逃げる

教室に入ると崩れるように座れ込み涙を拭きながら泣きじゃくる

溢れて止まらない

…ほらね、あーいう人と関わったら良いことなんてないでしょ、人の気持ちなんて考えない人

ばかり、少しでも「違うかも」と思った自分を恨みたい