「立花〜。これ職員室に持って行ってくれないかね〜?」

理科のおじいちゃん先生に頼まれた物はすごい量のノート、とても1人で運べない量で何往復は

しないといけなさそう

「はぁ、めんどくさ…」

大量のノートを前にため息をつく

いつも本を読んでいて暇そうに見えるのか、面倒なことばかり頼まれる

黒板消せとか、持っていけとか、掲示物貼っとけとか

「いつもありがとな、半分持つよ」

廊下を歩いていると日野くんが追いかけてきて私が持っていたノートの半分を軽々と持ってく

れた

「別に…日野くんのためじゃないし…」

静かな廊下に2人の足音が響く

「すり足なんだね」

サッサッサッという日野くんの足音に気づき何気なく言ってみる

「そうなんだよーすり足で歩きすぎて削れたんだよなー」

止めた足を曲げ見せてくれた

「本当だ」

日野くんの靴はすり減っていてあともうちょっと削れると足の裏が見えそうなほどすり減って

いた

「よし!やっと終わった〜!」

2人で話しながら何往復もしたからかあっという間に運び終えた

山積みに置いてあった教卓を見て背伸びをしている日野くん

「毎回こういうことやってるんだよな…ありがとな!俺時々になるけど手伝わせてくれ!」

胸が苦しかった、私の行動に気づいてくれて、手伝ってくれて、感謝を伝えてくれた