こんな毎日は楽しみも希望も何もないただただ深い沼にいるようだった

高1の冬、久しぶりに帰ってきた母親と酔っているばかりの父親がケンカをした

家中に響く2人の怒鳴り声に耳に手を当て泣きながら怯えていた

「夏樹、この家出て行くよ」

5日以上続いた夫婦ゲンカの結果2人は離婚した

私は母方の子になり父親から離れるため全く違う場所で違う学校に高2から通うことにした

そのため虐待もいじめも綺麗さっぱりなくなった

でも心の傷は残ったままで人と関わらないよう自分から人を引き剥がした

去年の1年間ずっと仕事ばかりで1度も連絡せず助けてくれなかった母親を毎日恨んだ

あの時父親を止めてくれていたら…何度もそう思った

気がついたら寝ていて暗かった夜はすっかり明るくなっていた

母親の姿もいつの間にかなく「やっぱりね」と思う

母親といっても所詮は他人、子供の気持ちなんか考えもしない

「おっはよ〜!」

またいつもの挨拶、日野くんだ