「何で。」
「帰りたい…。」
「…帰る?」
近藤瑛人はあたしがさっさと鞄に荷物を詰め込む姿を見て聞いてきた。
「うん。なんか朝からダルくて。」
「……は?」
また、あの低くて冷たい声。
普段から低い声をさらに低くして、ドスのきいた声になる。
「は?って言われても…。
しょうがないじゃん。」
「何が。」
「ダルいし、頭痛いし、ぼーっとするし…身体おも…」
「あぁっ!!??」
身体重いし。
そう言おうと思ったら、近藤瑛人の大きな声に書き消された。
あたしはビクッとしてそれ以上何も言えなかった。
「あ…悪りぃ。」
そう呟いたのもつかの間で。
近藤瑛人はすぐに目付きを戻してあたしに一歩近づいた。
「お前、バカじゃねぇの。」
……は?
