放課後、オレ達は、姫子の家に行った。

今日は、昨日みたいに部屋に連れて行かれたりはしていない。

オレも、逃げようとはせずに、玄関で姫子が出てくるのを待った。

「お待たせ。」

姫子は、いつもの私服に着替えていた。

玄関で靴を脱ぐと、オレは姫子を呼んだ。

「何?太一?」

オレは姫子に近づき、壁ドンをした。

いきなりでビックリしたのか、姫子は固まっている。

「なあ、姫子。」

オレより10センチぐらい小さい姫子は、見上げる様にしてオレをみる。

「…何?」

「オレも、姫子の事が好きだ。」

今まで面と向かって言った事が無かった事。

こんなんじゃ、彼氏失格だな。

「オレは、姫子とずっと一緒にいたいんだ。だから、姫子も…」

姫子は、少し恥ずかしそうに、頷いた。

姫子の顔に、オレの顔を近づける。

彼女は、恥ずかしそうに、目を逸らしたが、すぐにオレの方を向く。

そして、オレ達はキスをした。

付き合って初めてのキスだった。