視界に広がるのは作業机だけで無く、

冷蔵庫や電子レンジ、
流し台やガスコンロまである。


下手な一人暮らしよりも快適そうな環境だ・・・ってまさか・・・。


「もしかしてここで生活してるんですか?」


『はい。
あそこに寝袋が置いてあります。』


「だからいつも俺よりも早くここにいたのか・・・あの扉の先は?」


『お手洗いです。

廊下のトイレが広報部の方々で混んでたらこちらを使って頂いても構いませんよ。』


「風呂は?」


『刑事部の仮眠室のシャワーを使わせてもらうか、

調子が良い時は夜遅くにスーパー銭湯へ行っています。』


「じゃあ買い出しも・・?」


『混雑時を避け、深夜に24時間開いているスーパーに行っています。

全く外に出られないというわけではありませんから。』



「って事は洗濯は・・・
コインランドリーか・・。」


『下着類はそうですね。

シャツや背広は自分でクリーニングしています。

神野さんも、もし出したり受け取ったりするのが手間でしたら私が請け負いますよ?』


「・・覚えときますよ。だからいつ見ても身だしなみキッチリ整ってるんですね。」


『仕事をする上で身なりを整えるのは最低限のエチケット。

・・ヨレたスーツで捜査に当たるなんて言語道断です。』