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“ガチャリ”


地域PR課に戻り、
カバンや通信機器を片付けていると、

天井に設置されているスピーカーから月本の声が聞こえてきた。


『お疲れ様です神野さん。
どうぞ私の部屋までお越しください。』


「・・・いいんですか入って。」


『鍵は開けてあります。どうぞ。』



ついにあの“準備室”へ足を踏み入れる時が来た。


普段は鍵を掛け閉じこもり、綾瀬さんがたまに出入りしていた場所へと・・・




“ガチャリ”


「・・・!?・・・・・・・・。」


『そんな驚いた顔しないでください。』



・・・なんだ・・ここは・・・・・。


比較対象として・・
平松刑事部長の部屋が頭に思い浮かんだ。


ここは・・あそこに匹敵する広さ。


「まさか・・俺や綾瀬さんがいた部屋のほうが“準備室”だったのか・・。」


『なんですか準備室って?』


「あ・・いや・・。」