『懸命な捜査活動を行った鉄道警察の皆さんには申し訳ありませんが、
“早とちった”と言わざるを得ませんね。』
「・・・と言うと?」
『神野さん、
エスカレーターには着きましたか?』
「ええ。とりあえず階段を利用しながら周り一帯を確認しています。」
『・・・スマホを片手に持っている人なんてそこら中にいるんじゃないですか?』
「!?・・・・・・・・・・・。」
『どうですか?』
「・・確かに。みんなスマホに夢中だ。」
『先日“義理人情”を果たす為、
とても久し振りに駅を利用しました。』
「・・嫌味のつもりですか?」
『あ、いえ。それでその時、
今時は市民の皆さん、
若い子を中心にほとんどが歩きスマホをしている現状を実感出来ました。』
「・・・・・・。」
『スマホを片手に持ったままエスカレーターを昇っても不思議ではありません。』
「いやだけど村上はレンズ面を外に向けてた。」
『ちょっと実際に試してみてください。』
「・・?」
『スマホを見ながらエスカレーターまで来て、昇る時だけ見るのをやめた場合・・。』



