“ガチャリ”
「お待たせしました。
神田警察署 鉄道警察の小川です。」
副署長さんと話を進めていると、
また新たな人物が会議室に入ってきた。
「では神野刑事。
改めてよろしくお願いします。」
副所長さんが俺に会釈をして、鉄警の小川さんと入れ替わる形で出て行った。
「・・・この度は・・我々の不徳の致すところです。申し訳ございません。」
「どうぞ頭を上げてください。」
小川さんはかなり責任感の強い人物らしい。
もう1度促してようやく席に着いてくれた。
「報告書にも書いてありましたが、
改めてあなたの口から村上確保時の状況を教えてください。」
「はい・・。
村上は通勤で御茶ノ水駅を利用していたようで、毎朝決まった時間に現れていました。
尾行開始から3日目。
それまで自然な動きしか見せていなかった村上が、
不自然に早歩きとなってエスカレーターに近づいていったんです。」
「・・・・。」
「同じタイミングでエスカレーターには通学途中だった女子高生が向かっていて・・
恐らく奴は彼女の真後ろにつきたかったんだと察知しました。」